水疱瘡(水痘)と帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、どちらも同じウイルス(VZV:水痘・帯状疱疹ウイルス)によって引き起こされますが、発症する状況や症状、対象年齢、感染性などが異なります。
比較:水疱瘡 vs 帯状疱疹
項目 |
水疱瘡(みずぼうそう / 水痘) |
帯状疱疹(たいじょうほうしん) |
原因ウイルス |
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV) |
同じ(子どもの時に感染したVZVの再活性化) |
初回感染 or 再活性 |
初感染時に発症 |
体内に潜伏していたウイルスが再活性して発症 |
主な年齢層 |
主に子ども(1~10歳が多い) |
主に大人(特に50歳以上) |
症状の出方 |
全身に水疱・発熱・かゆみ |
体の片側に沿った帯状の痛みと発疹 |
発疹の分布 |
顔・頭・胴体・手足など全身 |
神経に沿って局所的(胸、背中、顔など) |
痛みの有無 |
かゆみが主(痛みは少ない) |
強い神経痛(ピリピリ、ズキズキ) |
感染性 |
非常に強い(空気感染) |
帯状疱疹の水疱から水痘として感染する場合がある(主に接触感染) |
再発性 |
一度かかると基本的に再発しない |
再発することがある(特に免疫力低下時) |
合併症 |
肺炎、脳炎など(まれ) |
帯状疱疹後神経痛(PHN)が問題になる |
帯状疱疹の正体とは?
- 実は、水疱瘡にかかったあとウイルスは完全には消えず、神経節に潜んでいます。
- それが加齢、ストレス、病気、免疫低下などをきっかけに再活性化し、神経に沿って皮膚に出てくるのが帯状疱疹です。
予防ワクチンの違い
種類 |
対象 |
内容 |
水痘ワクチン |
子ども(定期接種) |
水疱瘡の予防 |
帯状疱疹ワクチン(シングリックスなど) |
50歳以上推奨 |
帯状疱疹および神経痛の予防に有効 |
補足
- 帯状疱疹の水疱からまだ水痘にかかったことのない人(特に子ども)に接触すると、その人は水疱瘡として感染します。
- つまり、帯状疱疹は他人に「帯状疱疹」としてうつることは基本的にありませんが、「水疱瘡」としてうつる可能性はあります。