更年期とは
更年期とは、ホルモンバランスが大きく変化する時期のことを指し、男女ともに訪れる生理的な現象です。一般的には、女性は閉経前後の約10年間(40代後半〜50代半ば)、男性は加齢によるテストステロンの低下が顕著になる40代以降に起こります。
1. 更年期の定義
更年期は、性ホルモン(女性はエストロゲン、男性はテストステロン)の分泌が低下することで起こる身体的・精神的な変化を含む時期のことを指します。
- 女性の更年期:閉経をはさんだ前後10年(主に45〜55歳)
- 男性の更年期:加齢によりテストステロンが減少する40歳以降
2. 更年期の主な症状
女性の更年期の症状(エストロゲンの低下が原因)
- 身体的症状:ほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)、発汗、不眠、動悸、関節痛
- 精神的症状:イライラ、不安、抑うつ、集中力の低下
- その他の症状:骨密度の低下、皮膚の乾燥、薄毛・抜け毛
男性の更年期の症状(テストステロンの低下が原因)
- 身体的症状:疲労感、筋力低下、発汗、体重増加
- 精神的症状:うつ、意欲の低下、不眠、不安
- 性機能の変化:性欲減退、勃起不全(ED)
3. 更年期の影響
更年期になると、生活習慣病や骨粗しょう症、認知症のリスクが高まります。特に女性はエストロゲンの低下により心血管疾患(動脈硬化・高血圧)のリスクが増し、男性はテストステロン低下がメンタルヘルスにも影響を及ぼします。
4. 更年期の対策
- ホルモン補充療法(HRT・TRT):女性はエストロゲン補充、男性はテストステロン補充が可能
- 食事療法:大豆イソフラボン(女性)、亜鉛・ビタミンD(男性)を摂取
- 運動習慣:ウォーキング、筋トレ、ヨガで体力維持
- ストレス管理:瞑想、趣味の時間を増やす
- 医療機関の受診:症状がつらい場合は婦人科・泌尿器科・内科で相談
更年期は「老化」ではなく、体が次のステージへ移行するための自然な過程です。正しい知識を持ち、適切な対策を取ることで、快適に乗り越えることができます。